蒸気機関車のようにアンサンブルをドライブさせる力強い低音を生み出すことを理想として「Steam＝蒸気」と名づけられたこのベースはクラシカルなボルトオンネックのエレクトリックベースに、ユハ・ルオカンガスの持つトーンウッドについての知識、デザイン言語、ベースの世界では見ることの少ない一工夫を加えて、できるだけシンプルなツールとして設計されています。  Steam Classicはサーモ処理（木材の内部を結晶化させることで音響特性と耐久性を向上する熱処理）を施したフィンランド産のアルダーをボディーに、同じくサーモ処理したメイプルをネックに用いています。ネックのスケールは34インチです。ヘッドストックは段差のついたエレガントなデザインになっています。 チューナーはゴトー製GB11を採用することで高いチューニング精度を実現しています。ナットは地元で獲れたヘラジカの脛の骨です。   指板はローズウッド、エボニー、サーモ処理されたアークティックバーチとメイプルから選べます。フレットレス、フレッテッドも選べます。 フレットはステンレス製ミディアムジャンボフレットを標準仕様とし、フレットエッジの丁寧な球面加工によって快適な演奏性を得ています。   P.U.レイアウトもシンプルなプレジションスタイルから、ジャズスタイル、PJスタイル、その他独創的なものまで可能な限り対応します。 エレクトロニクスについては2V1Tや1V1Tにバランサーを加えたパッシブコントロールの他に、アギュラーやダークグラス製のプリアンプを採用したアクティブコントロールも可能です。   ベースはギター以上に弦の振幅が大きい楽器です。ユハ・ルオカンガスはこの弦のエネルギーをできる限り損なわずにボディーに伝えられることを優先してスチームを開発しました。ベースギターの世界で、過去には質量の大きいブリッジを使うことが流行りましたが、ボディー材の音響特性を活かしにくいという欠点があります。   弾き手に音楽的インスピレーションを与える音色を持ち、弾き手の繊細な表現を余すことなく伝えられるベースにすべく、木材の選択からP.U.、ハードウェアと試行錯誤を重ねました。その結果、ヴィンテージなテレキャスタースタイルのブリッジこそ理想的ではないかという結論に達しました。  軽量かつシンプルな構造で、２本の弦で１つのサドルをシェアし、できるだけ正確なイントネーション調整ができるブリッジを探した結果、ウィルキンソンが開発してゴトーで製作していたWB2Pに辿り着きました。当初は自社で製作するつもりだったのですが、すでに同じことを考えていた人がいたのですね。しかし、既にゴトーでは生産終了しており、現在ではルオカンガスギターズ専用パーツとしてのみ製造しています。このヴィンテージライクなブリッジによりSteamはルオカンガスギターズの考える最高のベースギターになりました。 |
【基本仕様】
ボディー：アルダー、ピックガードあり/なし
ネック：サーモトリートメント・ハードロック・メイプル、34インチスケール
指板：インディアンローズウッド/エボニー/アークティックバーチ/メイプル、20フレット
ブリッジ：Gotoh/WB2P
P.U.：Haeussel/Steam Custom sett
コントロール：2V1T1（パッシブサーキットの場合）
＊５弦も可能です。
この理想的なコンビネーションを採用したモデルがSteam Deluxeです。
Classicと異なる基本仕様はボディー材だけですが、音は大きく異なります。アークティックバーチとスパニッシュシダーというトーンウッドの組み合わせにより、アルダーボディーのClassicよりも広いダイナミックレンジとハーモニックレンジを持ち、サステインの減衰の仕方も滑らかです。
Deluxeではドットボジションマーク以外に写真のようなブロックポジションマークを指板に入れられます。
ブロックポジションマークは樹脂製のマークを埋め込むトラディショナルな方法の他に、指板材に彫刻と着色を施してポジションマークとする方法も取られています。ポジションマークの外と中で杢目が繋がっていることがわかります。装飾部分ではありますが、ルオカンガスギターズが如何に木材の扱いに巧みであるかがわかります。
【基本仕様】
ボディートップ：アークティックバーチ
ボディーバック：スパニッシュシダー
ネック：サーモトリートメント・ハードロック・メイプル、34インチスケール
指板：インディアンローズウッド/エボニー/アークティックバーチ/メイプル、20フレット
ブリッジ：Gotoh/WB2P
P.U.：Haeussel/Steam Custom sett
コントロール：2V1T1（パッシブサーキットの場合）
＊５弦も可能です。
